RIDERS CLUB 2020年 11月号 掲載

好きだから、こだわりたい

一心に働いて会社を興し、たまたま知ったバイクの魅力にどっぷりハマった。良いバイクと良い道具で自分を守りながら、思いっ切り走りを楽しむ大人がいる。

PHOTO / K.MASUKAWA | TEXT / K.ITOH | 取材協力 / モトコルセ TEL 046-220-1711 http://www.motocorse.jp/

兵役で負った心の傷を癒やすため、イランから日本にやってきた青年は、「ウチで働かないか」と外壁塗装会社の親方に声をかけられた。「親方は厳しい人で…、今は感謝しています(笑)。ある時、施主さんの娘さんに逆ナンパされて、それが奥さん(笑)。結婚して25年です」と笑みを絶やさず語る杉原さん。一心に仕事を覚え1992年に独立。リフォーム全般を行う「株式会社 綜合建装」を立ち上げた。そして…。

「2009年頃ですが、会社のスタッフの移動用に50ccのスクーターを用意しました。私が初めて乗ろうとした時、スタッフから『社長、二段階右折って知ってますか?』って。奥さんにも『安全のために練習したら』と言われ、せっかくなら教習所に行って免許を取ろうと。そこでCB400SFにハマりました。免許を取ってすぐに買いに行ったら、お店にCB1300SFが置いてあって、こっちの方がカッコ良いからコレ下さいって言ったら『大型免許が必要です』って。また教習所に行って2週間で取りました(笑)」

CBに乗っていっそうバイクの虜になった。何台か乗り継ぎ、スーパースポーツの魅力に気づき、GSX-R1000を手に入れた。「もっと上手くなりたくて、2011年にもてぎで開催されたスクールに行きました。講師の坂田和人さんに『いつも必ず20%のマージンを持って走ってください』と言われました。この教え、ずっと守っています」

じつはその頃、ドゥカティにも興味があったが並列4気筒しか乗ったことがない自分に、V型を乗りこなせるか?という不安があった。そこで足を向けたのがモトコルセ。「マネージャーの大西さんの大ファンになって(笑)、V4 スペチアーレを買っちゃいました。このバイク、ひとつひとつの部品が本当に良いモノを使っている。価格も高いですが、GSX-Rもカスタムしたら、結局高くなりましたから。スペチアーレはその必要が無いんです…とか言いながら、カスタムしてますけど(笑)」

スペチアーレを手に入れたのは昨年4月だが、杉原さんは先日、ストリートファイター V4 Sを増車した。「近藤さん(モトコルセ代表)に試乗して感想を聞かせてと言われて。自分は『この先、ネイキッドは買わない』って思っていたのに、スゴく良いじゃないですか! 同じエンジンのバイクが2台になりましたが、どちらも本当に魅力的!! 私にはドゥカティのV4が合っているんです」

Ducati STREETFIGHTER V4 S / Ducati PANIGALE V4 Speciale ドゥカティは上品に速い。だから深く愛せる。

写真補足

杉原 省吾さん

19歳で日本にやってきて15年前に帰化し、日本国籍を取得。現在は自身が経営する「株式会社 綜合建装」の代表取締役を務める多忙な生活の中、バイクを楽しむ。杉原という名字は自分で考え、名前の省吾は「日本語は彼の曲の詞ですべて覚えた」という大好きな浜田省吾さんが由来。

9月6日のライディングパーティで、V4 スペチアーレで初めてもてぎを走り「裏ストレートの90度コーナーも無理せず減速できます!」と感激。杉原さんは仲間を引っ張って走る高いスキルを持つ。

9月6日のライディングパーティで、V4 スペチアーレで初めてもてぎを走り「裏ストレートの90度コーナーも無理せず減速できます!」と感激。杉原さんは仲間を引っ張って走る高いスキルを持つ。

メディア インフォメーション

RIDERS CLUB 2020年 11月号 掲載

ハンドリングのヤマハ……ヤマハのバイクは曲がる!

レースの世界では、そんな表現が使われるシーンが、以前から多く見受けられます。「フロントブレーキを思いっきりかけながらコーナーに進入できる」「ライバルが遅く感じるくらい、コーナーリングスピードにアドバンテージがある」ヤマハのバイクを知り尽くした元MotoGPライダー中野真矢は、そう語ります。中野真矢が、MotoGPマシンYZR-M1のテクノロジーをフィードバックし、サーキット性能を進化・熟成したヤマハのフラッグシップYZF-R1に試乗。さらにそのコンセプトを受け継ぐYZF-R25/R3にも試乗し、ヤマハハンドリングの秘密に迫ります。

気になるニューモデルを紹介するR/C IMPRESSIONでは、MVアグスタのドラッグスター800RR SCSに試乗しました。発進・停止時ですらクラッチレバー操作を必要としない、革新のスマートクラッチシステムを搭載したミドル3気筒。その乗り味をインプレッションしています。

最新カスタムマシンにも試乗しました。1台目は今話題の250㏄4気筒搭載モデル、カワサキNinja ZX-25Rを、ケイファクトリーが発売と同時にフルカスタム。フルエキゾーストだけでなく、ハンドル+ステップも変更されたZX-25Rを、宮城光が試乗しました。もう1台はモトコルセが、ドゥカティ最強最速のスーパーバイク・パニガーレV4Rをベースにネイキッド化した...

詳細・ご購入はこちら

Back Number