RIDERS CLUB 2020年 9月号 掲載

好きだから、こだわりたい

バイクが好き、だから絶対的な品格とオーラに浸りたい。

ビッグスクーターのハードカスタムに入れ込んだ青年がロードスポーツに目覚めた。他人とは違う絶対的な何かを求め、趣味世界の深部にとことん突き進む。

PHOTO / K.MASUKAWA | TEXT / K.ITOH | 取材協力 / モトコルセ TEL 046-220-1711 http://www.motocorse.jp/

bimota TESI-3D NAKED / Ducati 1199 SUPER LEGGERA

「バイクは小学3年生から、モトクロスを始めたんです。父の影響ですね」と谷口さん。そう聞くと、恵まれた環境だなーと感じる方が多いだろうが、事実は少々違うかもしれない。

「父自身がモトクロスをやりたくて一緒に始めたのですが、仕事が忙しくなって、高学年になった頃に終了。子供ひとりではできませんから」そして16歳で原付免許を取得したのだが…。

「パワーが物足りないんですよ。以前乗っていたKX50やRM80は、小排気量とはいえ市販の原付とは段違いですから(笑)」そこで中型免許を取得するが、購入したのはビッグスクーターだった。「当時、凄いブームだったんです。だからヤマハのマジェスティCをハードカスタム(笑)。エアサスやロンスイ、エンジンスワップもして、ルックスと速さを追求しましたよ」ところが数年後、ビッグスクーター人気に陰りが出て、愛車は大改造ゆえにショップも見てくれない。「運良く欲しいという方がいたので譲って、パニガーレ 899を手に入れました。ロードスポーツ車の中で、一番カッコいいと感じたからです。ところが、身近に同じジャンルのバイクに乗っている人がいなくて。すると、お世話になっていたバイク用品店のスタッフが、ドゥカティに乗っている方を紹介してくれました」ツーリングに誘われると、そのライダーは他に所有するビモータ DB5で現れた。あまりのカッコ良さに一目でビモータの虜になった谷口さん。1年かけて購入資金を貯めつつ、モトコルセに車両を探してもらい、晴れてDB5オーナーになった。

「モトコルセさんのツーリングに参加して目にしたTESIに『なんじゃこりゃ!?』って(笑)。すごく欲しかったけれど、その時に見たTESI-3DはセパハンでDB5とカブるなーって諦めていたら、アップハンドルのNAKEDが出たじゃないですか。それで決めました」

そんな谷口さんだが、DB5購入時に手放したパニガーレ 899のカッコ良さも忘れられなかった。そこでモトコルセに車両探しを依頼し、今年4月に1199 スーパーレッジェーラを入手したのだった。

「僕、趣味は本当にバイクだけで、お酒もタバコもやりません。それに、これらのバイクは見つかるまでに時間もかかるので、納車されるまでお金を貯める時間もあります。そして時間が経っても古さを感じないどころか品やオーラがあるじゃないですか。その嬉しさは、何物にも代えられません」

写真補足

谷口諒一さん | 1990年生まれ。横浜で生まれ育った30歳。ビッグスクーターのカスタムで勉強した後、ロードスポーツに傾倒し、DB5も所有。「趣味はバイクだけ」と言い切り、全てを注ぎ込む。

bimota TESI-3D NAKED | DB5でビモータの魅力に憑りつかれ、TESIのハブセンターステアに衝撃を受けた谷口さん。「アップハンドルに加え、フロントカウルからサイドに流れる無機質でいて生き物のようなシャープな造形が素敵」と惚れ惚れ。

Ducati 1199 SUPER LEGGERA | 抜群にカッコ良いと最初に手に入れたパニガーレ 899。DB5購入時に手放したが、その想いが忘れられず、なんと1199 スーパー レッジェーラを入手。「圧倒的に軽くて、とにかく素直なハンドリングに驚きました!」

メディア インフォメーション

RIDERS CLUB 2020年 9月号 掲載

● 巻頭特集「ドゥカティV4の本領と究極」 : ストリートファイターV4S / スーパーレッジェーラV4

同じV4エンジンを搭載しながらも、キャラクターの異なる2台に注目しました。1台はパニガーレV4Sのネイキッドバージョン「ストリートファイターV4S」に試乗。アグレッシブさとフレンドリーさが高次元でバランスしている、その乗り味をお届けします。もう1台は、世界中で500人だけが味わえる究極マシン、「スーパーレッジェーラV4」を特撮しました。

● R/Cインプレッション : ヤマハ YZF-R1&YZF-R1M

いよいよ国内投入されるクロスプレーンエンジンを、袖ケ浦フォレスト・レースウェイでテスト。ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP RR-Rテストライド3回目の舞台はツインリンクもてぎ。レース用タイヤを履き、保安部品を取り外した状態で、アタックしました。

KTM 890DUKE R : ハスクバーナ スバルトピレン250 | そのほかKTM、ハスクバーナの現行モデルに試乗しています。

● カワサキ Ninja ZX-25R詳報 : まもなく国内に投入される話題の250㏄4気筒マシンを、開発者インタビューとともに詳しく紹介します。

● ライテク企画「宮城光の頑張らないブレーキング」: 怖さを払拭するための宮城流ブレーキングのコツを伝授します。

● 中野真矢スペシャルインタビュー

元MotoGPライダーの「...

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