RIDERS CLUB 2022年 03月号 掲載

好きだから、こだわりたい

端から端まで大きく手を加えなくても、大幅なイメチェンは可能。タフなイメージを強調したムルティストラーダが、そう教えてくれる。MOTO CORSE MTC V4

PHOTO / S.MAYUMI | TEXT / T.TAMIYA | 取材協力 / モトコルセ TEL : 046-220-1711 https://www.motocorse.jp/

ムルティストラーダとは、「あらゆる道」という意味。ドゥカティが手がける同シリーズは、 アーバン / ツーリング / スポーツ / エンデューロの4シーンを1台で楽しめる性能が追求されている。モトコルセのMTC V4はそんなムルティストラーダの中でも人気の高いV4Sをベースに、エンデューロ部分の強調を提案するライトカスタムのスタディモデルだ。

前後ホイールは、STDのアルミキャストからワイヤースポークタイプに変更。ムルティストラーダ V4には工場出荷時オプションとしてスポークホイール仕様が設定されていて、それと同様の物を使用している。タイヤは、ピレリ製のスコーピオン・ラリー。アスファルトでの安定性も重視したSTR仕様もあるが、敢えてブロックが荒いオフロードタイプを履かせ、ワイルドなアドベンチャーのイメージを強調している。

車体色はオリーブに変更。 Lツインのムルティストラーダ 1200 / 1260時代には、冒険性能を高めたエンデューロ仕様が設定されていたが、そのときに使われたサンドという車体色と同系のカラーだ。さらに、メインのボディカラーを変更しただけではない。このオリーブに合うよう、主張しすぎるレッドのフレームはシルバーに。カスタム感を高めるため、ブレーキキャリパーはイエローにペイントされている。オフロードにも対応する本格的なブロックパターンタイヤになったことで、オンロードではハンドリングにやや癖が出るし、グリップの限界性能も少々劣る。しかし、ツーリングの疲労を軽減してくれるソフトな乗り心地と、圧倒的にタフでワイルドなアドベンチャーの雰囲気を手に入れることに成功した。もちろんダートでは、意外にも高い走破性を発揮するノーマルを上まわるパフォーマンスを発揮するだろう。「でも、ダートなんて走らないし………」 だって? もちろんそうかもしれないが、機能性を追求するばかりがカスタムではない。アドベンチャーらしいルックスをさらに強調し趣味性と楽しみを満たすのもまた、カスタムの真骨頂なのだ。

タフ&ワイルドで本気風のアドベンチャーに

写真補足

■ 車体色は同店オリジナルのアーバンマットオリーブ。排気量、最高出力、最大トルクを示す「1158-170/127」をサイドにレタリング。

■ ブレンボ製の前後ブレーキキャリパーには、モトコルセが他のカスタムモデルにも採用するイエローペイントカスタムを施している。

■ 前後ホイールを純正オプションのスポークタイプに換装。タイヤは、ダート走破性を主題に開発されたピレリ製スコーピオン・ラリーだ。

■ ワイルドな雰囲気だが、 モトコルセのユニバーサルマウントシステムによりスマートフォンの車載も可能にしてある。

■ V4Sスポーツでは標準装備となる、アクラポビッチ製の政府認証マフラーを装備。 リアフレームはシルバーに変更。

■ 定番カスタムアイテムとなっているモトコルセ製のアクスルスライダー with チタニウムで、転倒時の破損軽減を図る。

メディア インフォメーション

RIDERS CLUB 2022年 03月号 掲載

・巻頭特集:一流に学ぶ極意

一流のレーシングライダーは、「自分の言葉」を持っていいます。それはいつも示唆に富んでおり、本質を突いていて、魅力的です。我々一般のライダーでは体験し得ぬライディングの世界、走る、曲がる、止まるについて、中野真矢さんの言葉に耳を傾けました。

・第二特集:アーバンアドベンチャー

流行のセグメント、アドベンチャーに最近新しい潮流が生まれています。土の匂いのしない、ロードスポーツ性能重視のモデルが増えているのです。ニューモデルTRIUMPH TIGER SPORT 660を中心に、ロード要素重視系、スーパースポーツエンジン搭載系、旅とスポーツ両立系に分類して、新ジャンルに注目しました。

・R/C IMPRESSION MV AGUSTA F3 RR

戦闘力と装備を高めたハイエンドなF3 RRが2022年型として追加されました。標準仕様のF3ロッソを絶賛している中野真矢さんが、レーシングキットも装着されたこの新型を、サーキットで試乗しました。

VINS DUECINQUANTA

カーボン製モノコックフレームを採用した車重わずか100kg強のボディに、75hpを発揮する新型2ストロークVツインエンジンを搭載した意欲モデル。往年のGP250レーサー然としたスペックのマシンの詳細を、現地イギリスよりお届けします。

・2021MotoGPプレイバック「日本メーカーかく戦えり」

ヤ...

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