ダブルレイヤーフェアリング

美しさとアグレッシブさを見事に融合させたデザインが特徴のフェアリングはダブルレイヤーソリューションを採用。非常にコンパクトなサイドカウルとラジエータのエアアウトレットとしても機能するセカンドカウルによる2層構造となっております。この構造はPanigale V4の内包するメカニカルパーツのコンパクトさを体現しています。

ダイヤモンドタンク

ダイヤモンドタンクと呼ばれるコンパクトかつマッシブな形状の軽量なアルミ製フューエルタンク。絶妙な形状によりアグレッシブに体を動かすトラック走行やスポーツ走行時に膝にしっかりとグリップし、バイクとの一体感を高めてくれます。ライダーの座席の下にまで伸びる構造となっておりマスの集中化にも貢献しつつ16Lの容量を確保しております。

スムーステールデザイン

テールカウルはスムーズなエアフローを実現するウィングデザインを採用しております。ライダーの体を伝う空気の流れをスムーズに排出し空気抵抗を低減します。バックシルエットからはPanigale V4のアグレッシブなエクステリアデザインを強調させるテールライトも印象的です。

90°V4

Moto-GPを戦うDesmosedici GPと同じく90°V4レイアウトを採用。90°V型4気筒レイアウトは一次振動をバランスシャフトを用いずに理論上0にすることが可能です。バランスシャフトの追加によるエンジンサイズの拡大と重量の増加、パワーロスを防げた事で高回転高出力かつコンパクトなエンジンを実現しております。また構成部品が少ないことにより高い信頼性も有しております。

逆回転クランクシャフト

一般的なストリートバイクではクランクシャフトがホイールと同じ方向に回転します。しかしスーパーバイクの究極系であるMoto-GPではホイールの回転方向とは反対方向に回転する逆回転クランクシャフトを採用したマシンが大多数を占めます。「 DESMOSEDICI　STRADALE 」エンジンはこのMoto-GP由来の技術である逆回転クランクシャフトを採用。ホイールのジャイロ効果の一部を相殺することで俊敏かつ正確なコーナリングが可能となります。また加速時にはフロントリフトを抑える効果と逆に制動時にはリアタイヤのリフトを抑える効果があり俊敏性と安定性を高次元で両立しております。

ツインパルス

クランクシャフトのクランクピンはDesmosedici GPと同じく70°オフセットされています。これにより「ツインパルス」と呼ばれる不等間隔爆発となりコーナーからの立ち上がりで非常に優れたトラクション性能を実現します。200馬力を優に超える強大なパワーを確実に路面に伝えます。「 DESMOSEDICI STRADALE 」エンジンならではのユニークで独特なサウンドを作り出します。点火ポイントは0°、90°、290°、380°となります。

可変吸気システム

DUCATIでは初となる可変吸気エアファンネルも備えております。固定されたエアファンネルと電気モーターにより移動する可変エアファンネルの２つにより構成されエンジンの回転数や走行状態、スロットルの開度などの様々な情報を基に制御されています。この可変エアファンネルがスロットルボディに固定されたエアファンネルと嵌合、分離することにより吸気管長を変化させ、全回転域で最適な吸気を実現します。これによりエンジンの低回転域から高回転域までの全回転域でパワー＆トルクアップを果たしております。

デスモドロミック

DUCATIのアイデンティティであるバルブ開閉機構「デスモドロミック」を「 DESMOSEDIC STRADALE 」エンジンにも採用しております。完全な新設計のV4エンジン開発にあたっては81mmのシリンダーボアに対して非常に大きな吸排気バルブを採用しつつもコンパクトかつ軽量なシリンダーヘッドが求められました。一般に吸排気バルブ径を大きくしていくとシリンダーへの吸入量が多くなり混合気の充填率は上がりますが高回転時に大きくなったバルブの慣性によるバルブジャンプやサージングが問題となってきます。しかし「デスモドロミック」であれば正確な吸排気バルブの稼働を実現し、さらにバルブのジャンピングやサージングが生じないためバルブの最大リフト量をシリンダーピストンヘッドぎりぎりまで詰める事ができ、充填効率の向上につながります。 バルブスプリングを持たないのでフリクションも大幅に低減できます。これにより非常にコンパクトなエンジンを実現しながら最高出力215hp/13,000rpm、最大トルク12.7kgm/10,000rpmという驚愕のパフォーマンスと14,000rpmもの高回転を許容します。

アルミフレーム

革新的な1199 / 1299 Panigaleのモノコックフレームを進化させたフロントフレームを採用。エンジンをフレームの構造体の一部として活用するコンセプトはそのままにフレーム部にバンク中の路面からのインフォメーションを吸収する柔軟性を持たせたのが特徴です。フロントフレームはステアリングヘッドからフロントシリンダー上部、V4リアバンクのシリンダーヘッドをマウントする非常にコンパクトな形状です。精密なアルミ鋳造により製造され、肉厚も非常に薄く仕上げられており単体重量は僅か4kgとなっております。軽量なアルミ鋳造製リヤシートフレームもリヤバンクシリンダーヘッドとフロントフレームにマウントされ車体のコンパクト化、軽量化に貢献しております。

先進のサスペンション

Panigale V4 S / Specialeには第2世代のオーリンズセミアクティブサスペンションが装備されています。フロントフォーク、リヤショック、ステアリングダンパーの特性を車輌の走行状態に応じてリアルタイムで変化させることで優れたハンドリングと安定性を両立させております。ディスプレイ上で細かなセッティングが行え、ダンパー特性のアクティブ / 非アクティブ（固定ダンパー特性）の設定も可能です。

軽量ホイール

Panigale V4 S / Specialeには軽量なアルミ鍛造ホイールが装着されております。さらにPanigale V4 Speciale マグネシウムホイール モデルでは超軽量なマルケジーニ製M9RS Corseマグネシウム鍛造ホイールを標準装着。1199 Superleggeraにも装着されていたこのホイールは高い剛性と単体重量の軽さはもちろん、リム部分が軽量化されておりジャイロモーメント低減による軽快なハンドリングを実現します。彫刻の様な美しいデザインも所有感を高めてくれます。

新型タイヤ

Panigale V4を生み出すにあたってDUCATIとPIRELLIは密接に協力して新たなDIABLO Supercorsa SPタイヤを開発しました。リヤタイヤに採用されている200/60-17というサイズのタイヤはレーシングタイヤとしてはSBK世界選手権で使用されており既に高い性能を発揮しております。その技術をフィードバックしたストリート対応のハイグリップタイヤです。革新的なタイヤプロファイルにより深いバンク中のタイヤの設置面積を拡大しつつ、タイヤの端に配されたレーシングタイヤと同じSC2コンパウンドにより強力にグリップさせます。また、フロントタイヤも再設計されサイズは120/70-17のままに、わずかに幅を拡大させグリップ力の強化が図られております。トレッドパターンも「フラッシュ」と呼ばれる新パターンを採用しております。

新型ブレーキ

高性能ブレーキメーカーであるBrembo。Panigale V4ではこれまでのトップモデルであったM50ラジアルフロントキャリパーの後継となる「StylemaR」モノブロックキャリパーを独自に取り入れています。M50キャリパーと比較してピストンやブレーキパッド周りをスリム化しつつ、ブレーキフルードスペースのコンパクト化によりブレーキレスポンスが大幅に向上しています。また、冷却性の向上や全体のコンパクト化により7%もの重量削減を実現しております。このブレーキシステムは軽量の9.1MP Bosch コントロールユニットを使用するBosch EVO コーナリングABSによりサポートされています。

Bosch コーナリングABS EVO

車体がバンク中においても的確にABSが作動するコーナリングABSを備えております。ABSの介入度合いを3段階に調整可能となっておりライダーはあらゆるシーンで安全にコーナーに挑む事ができます。介入度合いの最も高いレベル３は公道走行やウェットコンディションなどの滑り易いコンディションを想定した安定性と安全性を重視した設定です。レベル２は安全なコーナリングを実現しつつスポーツ走行も考慮された設定です。最も介入度合いの少ないレベル1はサーキット走行専用のモードとなっております。コーナー進入でのハードブレーキングを補助する「コーナリング」機能は維持しライダーのミスも補正する機能も備えております。

ドゥカティトラクションコントロールEVO（DTC EVO）

DTC EVOへと進化したトラクションコントロールシステムは6軸センサーを内蔵したBosch IMUからの車体姿勢や加速度の情報、前後ホイールの回転差などに基づいて制御されています。加速時でのリヤタイヤの理想的なグリップを実現する為にスロットルバタフライと点火時期、燃料噴射を変化させます。後輪のスリップが検出されるとシステムはそれを瞬時に制御します。

ドゥカティスライドコントロール（DSC）

DUCATI Corseと共同開発したスライドコントロールシステムをDTC EVOに追加しました。DSCはエンジンのトルクを制御することで車体のスライド角をコントロールしライダーをサポートします。制御が非常に困難なスライド角に到達するのを防ぐことでコーナー立ち上がりのパフォーマンスを向上させます。走行状況やライダーの好みに合わせて2段階に調整可能となっております。左側のスイッチでダイレクトに設定変更が可能です。

ドゥカティクイックシフトUP/DOWN（DQS EVO）

1299 Panigaleシステムからアップデートが図られ、コーナリング中のリーンアングル情報を活用しコーナリング中にギヤチェンジした際の安定性を高める機能が追加されました。シフトタイムを最小限に抑えることに加えて、よりスムーズな作動を実現。シフトダウン時にはオートブリッパーを備えているのでコーナー手前のブレーキングに100％集中する事ができます。公道走行においてもライダーの疲労度を大幅に軽減します。